王子様と正しい恋愛


「着いた着いた2-4!」

「ここに王子がねえ…」

教室を見渡すかぎり王子らしき人は居ない。

「おっかしぃなぁ…今いないみたいだな〜」

なんとなく安堵感がこみあげる。

私が美央に帰ろうと口を開こうとした時だった――…

「どいてくれる?」

「あ…すいません…」

振り向くと、声の主を足から上へ見上げる。

足長い…

そして顔――…

「えーっと……なんとか王子?」

見れば分かる。
この顔で王子なら納得だ…

「天童王子!」

あぁそれだ。