王子様と正しい恋愛


「そ」

「はぁ?嘘だ!だって委員長は先輩みたいなセクハラ王子じゃねーもん!」

「高校デビュー?」

先輩はそう言って笑った。

大体委員長は、私が図書委員だった時に良くしてもらってた人で…

こんな、先輩みたいな人じゃなくて…

メガネで、前髪長くて…
いわゆるオタクみたいな…

「俺ね、小日向が図書委員になった時からずっと気になっててさ。小日向ってクールだけどサボらないし一生懸命だし良いな〜って」

「先輩…」

「俺、あんなんだったから告白とか出来ないし。そのまま高校来て…デビューみたいな?……したらまさか小日向が居たなんて。」

私は黙って先輩の話を聞いて、思わず目を背けた。

「小日向、ちゃんと見て」

「え?」

先輩は、私の顔を手で挟んで自分に向けた。

「小日向がずっと好きでした。」

「………!!」

「イヤ?」

「……イヤじゃない…けど…」

「けど?」

「好きってまだ分かんない…だから、もう少し時間ください…」

私が恥ずかしそうに言ったからか、先輩も少し赤くなった。