王子様と正しい恋愛



「アキ…」

「行ってくる。」

「え?」

美央の返答を聞く前に、私は先輩を追って走りだした。

階段にさしかかると、どうやら先輩は上の階に行ったようで、急いで階段を上った。

「天童諒!!」

「……小日向?」

先輩は驚いた顔をして、振り向いた。

「告白とか…冗談じゃないですよ」

「ごめん」

「今まで散々振り回しといて、いきなり言われても困る!私は玩具じゃなかったんですかっ?!」

「最初から玩具なんかじゃなかったもん」

「……は?」

「俺、ずっと小日向のこと好きだったし」

「はぁぁ?」

「知らなかったでしょ。俺と小日向、中学一緒だったんだよ」

うそ…

「しっ、知らない…」

「図書委員委員長の天童です」

え…

まって…

「まさか、あの天童委員長?!」