君は乙姫 僕は彦星




東京の駅前は、夜になっても人が多い。


傘も持ってない。足が勝手に動いてた。



ずぶ濡れのまま、私はバス停の前で立ってた。



「君、どうしたのぉ〜?」


「一緒においで〜」


お酒くさいおじさんに手を引っ張られる。


「ちょっ…やめてくださっ…!」



手を引き離そうとする、その手に誰かの手が触れた。


「ちょっと、オッサンやめなよ…」


男らしい低い声で、私のことを助けてくれた。


おじさんは、そのオーラに負けたのか大人しく行ってしまった。



「あっ…あの。ありがとうございますっ!」


「いいよ。それより、怪我ない?」