毎日のように自分の気持ちを問う日々。


そんなこと関係なしに、あいつと美佳の距離は縮まっていた。



✱✱✱✱



「はぁ…」

…最近、ため息ばかりでる。



美佳と話している時も、大好きなご飯を食べている時も。

誰のせいでもないことはわかってる。

自分がはっきりしないかりだって。



でも、苦しい。






ーーーザワッ


平和な昼休みだというのになんだか急に廊下が騒がしくなった。




そんなこと気にせず、自分の席に座って課題をしていた大輝が、あたしの方を振り返った。



「なあ、莉子?」



おでこにかかっていた髪をピンでとめている大輝はとても可愛い。


肌、綺麗すぎるし…そりゃモテるわけだ…。


大輝って、顔もかっこいいよね。

意外とハイスペック…。


あ、でも狙っちゃダメだよ!

大輝は他校に彼女がいるんだから!



「…おーい、聞いてっか?」


「あっうん。なに?」
    



いけないいけない…。

なんか真剣な話っぽいから、ちゃんと聞かなきゃ…。



「…あのな…」



 
なんとなく身構える。

 

「…ため息つくと、精神年齢が少ーーしずつ下がっていくらしいぞ。」


「………は?」




…えっと…。これは…絶対あたしをバカにしてますよね?


…ここはあえて、かっこよく返すのが正解だね……。




「…へー、そうなんだね。まあ、あたしは下がっても元が高いからさ〜」



…決まった!





「…ふっ…」

「…ちょっと、そこの人笑わないで」



隣でご飯を食べていた美佳が笑ったのを見逃さないあたし…すごい。

こういうとこは鋭いんだよね…。



…てか、なんなの?!

あたしって、そんなにガキなの?!


いつもいつもみんなにバカにされてさ?!

ため息ぐらい、ついてもいいじゃん?!



「……大輝くん、……女の子に優しくしなきゃ、彼女に振られちゃうよ〜だ!」


「……莉子さん、妬みは醜いぞ。まあ、お子ちゃまに彼氏は早いな!!」


「…ね、妬み?!お、お子ちゃま?!」



…もうツッコむのも疲れたよ…。

やめよう。

こんな笑顔でひどいことばっかり言ってくる人と話してたら…生きる気力を失うわ…。