止まらない鼻水と涙を気にせず、あたしは話した。



なんだか全部吐いてしまいたいと思った。

このもやもやした気持ちすべて。



「美佳のね…っ…気になる人っていうのがっ…」

「おう…」


「西谷だったの……あたし…それでごちゃごちゃってなって…っ」

「おう」



「走っちゃったの…っ…もう、わけわかんないよぉ…ヒック……うぅ」


泣きじゃくるあたしの体が、ぬくもりに包まれた。

抱きしめてくれる千弘の腕は、あたしの知ってる小さい頃の千弘の腕の何倍もしっかりとしていた。



「ち、ひろ…ちひろっ…」

「はいはい」


「ちひろぉ…」

「なんだよ…(笑)」



ありがとう。

そばにいてくれて、ありがとう。


千弘が幼馴染でよかった。

ほんとに思うよ。





もし千弘が苦しくて、辛くて、不安に押しつぶされそうなとき。


「絶対に助けるからね…。 」







バカなあたしは、心の中で呟いたつもりが、まさか声に出てるなんて気づかず…。




「そんなもん、いらねーよ…」




千弘が不器用で優しい返事をしてたなんて、知らなかったよ。





大好きな幼馴染。


ありがとう。