ちゃら男くんの好きな子。



「大橋ちゃん、はやくー」



あたしは、にこやかな表情の先輩に呼ばれる。


いつも綺麗な人たちしか周りにいない先輩の横に…呼ばれてる…!!

しかも満面の笑みを向けてる相手がわたしっていう奇跡!



…先輩の笑顔には…勝てませんよ!!


あたしは、ダッシュで入り口に向かう。





「せ、先輩っ!…どうしたんですか…?」


「急にごめんなー、ちょっと大橋ちゃんに用事があってさ」

本当に申し訳なさそうに謝る先輩。



そんなことないです!めっそうもございません。

先輩の視線の中に入れていただき、幸せ過ぎます!


心の中で必死に否定する。




「…あのさ…昨日リーダーの中からいろいろ担当を決めたじゃん?」

「……え?」



なにか決めたっけ…?

担当って…リーダーの中でもあるんだ…。


…そういえばあたし、集まりの間の記憶がないんだけど!

記憶喪失?!




「…うん、わかんないよね」

「へっ…?!」



先輩が笑いをこらえてる。


「なんかぼーっとしてたもんな〜。…なんとなく、聞いてないんじゃないかなーって思ってた」

「…っ?!//」



なにそれ!恥ずかしい…

ていうか、先輩があたしのこと見てたの?!

変な顔してなかったな?!



けど、あたしのことを気にかけてくださるなんて…!!

本当に、一生分の幸せがここ何日かに集まってるみたい!