プルルルル
タイミングを図ったかのようにスマホが震える音が聞こえる。
もちろんあたしではない。
「……あ、エリカ…」
西谷がそうつぶやいて立ち上がり、無表情で電話に出る。
…エリカちゃんか…。
本当に仲いいよね…。
「もしもし。うん。…明日言いたいことできた」
…本当に小さい子みたいな喋り方変わってない…。
それに、適当なとこ変わってないしね…。
「うん。それじゃ。明日」
たったの二十秒程度で終わった電話。
中学のときは、すっごい長かった。
というか、鳴り止まなかったのに…。
モテなくなっちゃったのかな〜?
なんて…こんなこと考えてたら、また心読まれて大変だ…。
なんとか赤い顔が冷えて、落ち着いてきた。

