「遥斗、ちょっと待っとけ!莉子もちゃんと待っとけよ」 玄関を出たところで、千弘が忘れ物をとりにダッシュで家に入っていった。 …急に二人きり…。 帰りたい…この場から去りたいんだけど…。 でも、千弘にここにいろって言われちゃったし…。 何もしないで、千弘を待とう…。 そう決めた時だった。 「…塾、入んねーの?」 こっちを向かずに、小さい声できいてくる西谷。 …なんか、雰囲気が変わってる…。 このバカでかい身長とかは変わってないくせに、無駄に大人っぽくなってる。