ーーーガチャリ ドアが開く音がかすかに聞こえる。 「やだ…千弘行かないで…」 なんとなく寂しくて呼び止めると、手に温もりを感じた。 「あったかい…」 あたしが握られた手を握り返すと、手が急にすっごく熱くなった。 不思議に思って目を開けると、そこには嫌に整った顔があった。