ちゃら男くんの好きな子。




ーーーガチャン



「おじゃましまーす」


なんのためらいもなく靴を脱いで、スリッパを履く。

もうあたしの第二の家だね!



ドヤッって一人でしてたら、頭の中で美佳がバカにするからやめておこう…。



おばさんは…お仕事か。

じゃあ、千弘の部屋に直行だね。



ん…?

けど、なんか二階が騒がしい気がする。

声が聞こえる。


ま、まさか…!千弘がひとりごと?!

こっわ!馬鹿にしてやろ〜。



あたしは静かに二階の一番端の千弘の部屋に向かう。





「ちっひろー!あそびに来たよー」




元気にドアを開けると、そのには2つの大きな体。

1つはもちろん千弘。




あと一つは…。



「久しぶり」




最近、何かとよく会う…。

なんでなんだ…やっと忘れてたのに…。



西谷は、あたしと目があった瞬間、すぐに目をそらした。

…もう顔さえもみたくないってか?!





「どーした?おばさんいねーのか?」

「う、うん…でも、もう帰る…」


「…は?どうせ何もすることなくて、俺んち来たんだろ?じゃあここいれば?」



…あたしのこと、なんもわかってない…!

そこは、感づいてよね…。


なんか様子が変だな?とかさ。

幼馴染でしょ?!




「…邪魔したくないから帰るよ…」


「は?遠慮とか、お前はまだ覚えなくていーから。」


「…」


「とにかくほら、ベッドで寝とけ」




ーーーポンポン

千弘がふかふかのベットを叩く。


その動作をされると、あたしの体はすっとそっちに向かっていってしまう。




「へへっー…千弘の布団やっぱり好きなんだよねぇ〜」



あんなに拒否していたのに…気がつけば、寝転がっていつものように布団にくるまり眠りについていた。