(遥斗SIDE)




「ねー、センパイ。俺つらい」



「…どこがつらそうなんだよ?!幸せな顔しやがって!!!どーせ女関係だろ?!」

「滅びろ!イケメン!!」




俺は、部室で着替え中。


もうすぐ全国大会が迫っていて、このセンパイたちもいなくなる。

俺は、大橋のことで頭がいっぱいだけど…

この先輩のこと結構好きだし…全国の舞台で少しでも多く試合してほしい。


とか…考えてる。




「おい!お前、例の彼女とどうなってんだよ?!?!」

「……うるさ。」



「はああああ?!うるさくねーし!ふつーだし!」

「抑えろっ!鬼川!」




「大丈夫?」

「大丈夫じゃねーよ!!やっぱ潰れろ!!身長2cmくれ!」




…ぷっ…うるせーけど、おもしろいんだよな。

このセンパイたち。





「センパイ」




「「「あ????」」」





「俺、がんばるわ」




「「「…………!!?」」」





絶対、悔し涙とか流させねーし。





「っ西谷!俺は嬉しいぞっ!」

「やっと先輩を敬えるようになったんだな!」


「涙が止まらねーーー!!!」




…やっぱバカだ。

この人たち。



「かーえろー」



たまにはこんなふうに正直に自分の気持ち言うのもいいかもしれない。