「遥斗!来てんだろー」
そのとき、莉子の部屋のドアを開けて、入ってきたのは…千弘ちゃん。
「千弘!来たんだ!」
「おう、暇だったからここ来たら、おばさんが遥斗がいるって教えてくれたから」
「…そっか!」
俺達の気まずい雰囲気を全く察しない千弘ちゃん。
まあ、、そんなとこが好きなんだけど…。
…でも、千弘ちゃんが来たら莉子嬉しそうにしてるから、今日は返事は…いいや。
「勝負しよ、千弘ちゃん」
俺が提案すると、ぱあああっと千弘ちゃんの顔が明るくなる。
「新作持ってきた。莉子もできるやつ」
「…えっ?!やったー!」
莉子も楽しそうだし…よかった。
俺は、気を取り直してゲームの準備を始めた…。
「あのね…」
すると、千弘ちゃんが少し離れた隙に、莉子が俺の耳元でしゃべりはじめた。

