「ねえ、あの人かっこ良くない?!」
「えっ?!あれって西谷遥斗じゃない?!」
「一人かな?!話しかけてみようよっ!」
一人のイケメンに群がる女子たち。
「あのっ!一人なんですかっ?!」
「え?うん」
「遥斗様ですよね!ファンなんですっ!」
「うん。ありがと」
適当にうけながす王子様。
「…は、遥斗?!…何囲まれてんの…」
その様子を、デート遅刻常習犯のお姫様が遠くから見ています。
「莉子、おそい…」
「っえ…?!もしかして…」
「ん?あ、俺の彼女。莉子っていう」
「…一人って言ったじゃないですか?!」
「え?…うん、今、一人じゃん」
「「…」」
「は、遥斗っ!」
お姫様の声が聞こえて、王子様はすぐに視線を向けると、そこには可愛い可愛い女の子。
王子様はお姫様をみつけて、愛しそうに笑い、また女子たちの方を向きました。
「俺、今から彼女とデート。じゃーね」
一瞬、少年のような笑顔をして去っていく王子様に周りの人は釘付け。
あの王子をゲットしたお姫様とは…?
「何楽しそうに喋っておられるんですかね…」
「…は?しゃべってねーし。早く行こ」
「っ?!ちょ、待ってよ!」
お姫様の前では、照れ屋な王子様。
「…そろそろ遥斗って呼ぶの慣れないの?」
「い、いいじゃん…!恥ずかしいんだからね…。」
「…かわいい…」
「なに?」
「なんでもない…」
ちゃら男くんの好きな子は、
天然で鈍感でバカだけど
ちゃら男くんを照れさせられるのは彼女だけのようです。
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