「はあ?!おこちゃまに彼氏?!」
「やだ!イケメンじゃ〜ん」
「…俺様よりイケメンではないか…」
大輝と希良梨と五郎も騒いでるし…。
…お子ちゃまって聞こえたのは、スルーしよう。
あたしって心が広い!
「…なあ、これどーしたらいいわけ?」
「…これって?」
「この状況」
い、今更?!遅くない?!
あたしさっき、逃げようって言ったよね?!
「じゃあ…せっかくだし…」
「…え?」
「行こ」
西谷があたしをお姫様だっこした。
初めての体験に、目の前がぐるぐるする。
あ、たし…なにされてるの…?
「…えーと、莉子は俺のだから…」
「触れんのも禁止。可愛いっていうのも禁止。あー、喋んのは許す。」
ステージの上では、満足気な西谷があたしを抱えあげてる。
ステージの下では、女子の歓声や悲鳴が地震のように起こったのでした。
あたしの彼氏は
桜沢高校の文化祭に歴史を作った。

