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「よーし、じゃあ大橋。ここ解いてみろ」
「…」
「…おーい、大橋?」
「…」
「…おーおーはーし!!!!」
大きな先生の声ではっと前を向く。
「せ、先生??どうしたんですか…?」
「……どうしたんですか?じゃないだろ???お前、また自分の世界に入って窓の外見てんじゃねーか!」
「え、えへへ…」
午後の授業、幸運なことに睡魔には襲われなかった。
むしろ、目はキラキラしている。
…またあたし先生のこと無視しちゃった…。
何回目だろ…?!
そろそろやばい…。
でも、許してください…!
だって…今は、先輩のクラスが体育なんです!
これは見なくっちゃ!!
「……お前なぁ〜?笑ってごまかせば許されると思うなよ?!大橋は放課後、職員室に来い!」
「えっ…」
最悪…なんてことでしょう…。
あたしはただ、純粋に先輩のことが好きなだけじゃないですか!?先生!!
とは、言えるわけもなく…。
諦めることしかできないあたしです。

