ちゃら男くんの好きな子。





✱✱✱✱✱✱✱



「よーし、じゃあ大橋。ここ解いてみろ」

「…」 



「…おーい、大橋?」

「…」


「…おーおーはーし!!!!」


大きな先生の声ではっと前を向く。




「せ、先生??どうしたんですか…?」


「……どうしたんですか?じゃないだろ???お前、また自分の世界に入って窓の外見てんじゃねーか!」


「え、えへへ…」




午後の授業、幸運なことに睡魔には襲われなかった。

むしろ、目はキラキラしている。



…またあたし先生のこと無視しちゃった…。

何回目だろ…?!
そろそろやばい…。



でも、許してください…!

だって…今は、先輩のクラスが体育なんです!

これは見なくっちゃ!!



「……お前なぁ〜?笑ってごまかせば許されると思うなよ?!大橋は放課後、職員室に来い!」

「えっ…」


 
最悪…なんてことでしょう…。

あたしはただ、純粋に先輩のことが好きなだけじゃないですか!?先生!!

とは、言えるわけもなく…。


諦めることしかできないあたしです。