「おい!あれって…大橋莉子ちゃんじゃね?!」
「やばい!なんで南校にいんだよ?!」
「話しかけるか?!」
…また、あたしのこと?
それとも同姓同名でもいるのかな?
じゃなきゃ、さっきからおかしい…。
周りの人があたしの名前知ってるんだもん…。
「…あの子が遥斗の彼女?」
「は?あんな子がー?」
「あたしのほうが先に好きだったんだけどー」
…わかってるよ。
あたしなんかに西谷はもったいないって…。
ああああ!
なんでこんなに耳に入ってきちゃうんだろう…周りの声が…。
「…大橋。」
「…なに?」
こんな感情が西谷にバレないように精一杯の笑顔を作る。
でも君が…あたしにそんなことを言うなんて思ってもなかった。

