「…ねえ、やっぱりあの子って…!」
「大橋莉子でしょ?!…めっちゃかわいいじゃん…」
「あたしの遥斗様がぁ〜!」
…やっぱり遥斗って…。
って、え?!
あたしの名前知ってる?!
意味分かんない…。
なんで?!
「お前…目立ち過ぎ…やっぱ帰った方がいいじゃん」
「…でも…。」
このまま帰ったら、周りの女の子たちに負けた気がするし…。
好きって気持ちは、絶対負けたくないもん。
「…なんでそんな今日甘えてくんの…〜っやべーわ…」
「…うるさい。いいじゃんか…」
あたしだって、自分がこんな奴だったなんて思ってなかったよ。
「中学の時…西谷は女の子とばっかいたじゃん…」
「…別に」
「いやだったし…寂しかった…」
「…っ?!」
今までのモヤモヤ吐き出さなきゃ、先に進めないって思ったあたしは、全部いうことにした。
「…重いじゃん。俺、大橋といると、うぜー奴になる…」
「…重くないし!」
ちゃんと話せばよかった。
あたしは自分が苦しいことばっかり考えてて、西谷の気持ちなんて聞いたことなかった。
「…西谷があたしに告ってくれた時、すっごいかっこよかった!
あたしが誕プレあげたときに写メってたのもかわいかった!それに…んっ」
…っ????!!
「ちょっとストップ…もうギブ…//」
あたしの唇が暖かくなった。
き、すされた…。
「…に、西谷?!」
「…うるさ…」
あたしは真っ赤。
なのに、その張本人は普通の顔してる。
…まあ、こんな西谷が好きなんだけど。

