「…バカでかい声。」
体育館から汗だくの市来が出てきた。
無視してたわけじゃなくて、気づいてなかっただけなんだ…よかった…。
「…急になに?」
西谷の落ち着く声に、なんだか泣きそうになる。
でも、泣くところじゃないから。
泣いて困らせるのはもう十分。
「…あたし、西谷のこと好き」
精一杯の笑顔で言う。
人生ですることなんて、ないと思ってた。
こんなに人がいる中で、あたしは告白している。
ちゃんと目を見て、言えた。
あたしは自分を尊敬するよ。
「それだけ!帰ります!」
あたしは、恥ずかしさを必死に抑えて反対方向を向く。
潔く帰ろう、そう思った時。

