ちゃら男くんの好きな子。





「なーんか、妬けちゃうな〜」





力の抜けた声。

絶対そんなこと思ってない…。




「先輩…。…どうしたんですか?」




あたしは苦笑いで先輩の方に近づく。

もう先輩がこの教室に来てくれることが、あたしの中では普通になってしまっていた。



「一緒、帰ろ?」

「わかりました。ちょっと待ってください!」



バックに教科書を詰めて、2人の方を見てドヤ顔する。

あっけにとられる五郎…なんて面白い顔してるの…?!



「…?何笑ってんの?」

「なんでもないですよ!」


あたしはくすくすと笑って、教室を出た。