『そいつ俺の』
適当で、力入ってなくて、無表情な声なんて…アイツしかいない。
「あ?誰だよ」
「って……西谷遥斗?!や、やべーぞ!」
「逃げろっ!」
西谷の顔を見た瞬間、逃げていった男子。
あ、理由聞けなかった…。
「…顔見て逃げられてやんの〜だっさー」
助けてもらてたのに、そんなことしか言えないあたし。
「お前はまず、自分のこと自覚することからちゃんとして。」
「…は?」
どういうこと?
自覚…してますよ?
「…はぁああ、まあいーや、無事だし」
…またわざとらしいため息。
よくするよね、癖?
って、それより!
「あ、ねえ!もしかしたらあの人たち、知り合いの人だったのかもしれない…!あたしの名前知ってたから!」
「……やっぱアホ」
…はあ?!
バカがアホに昇格したんですけど?!?!
「もういい!今の言葉、後悔、させてやる!よっしゃ、後半行くぞ〜!」
あたしが立ち上がると、すぐに後ろから足かっくんされた。
「っ…ん?!…何すんのよ!」
「ジュース買った、飲も」
「…!…あ、りがと…」
あたしの分まで買ってきてくれてるなんて…知らないし…。
なんかあたしって…素直じゃないなぁ…。
自分のことを自覚しました…。

