「ぶっ…、やっぱバカ」
そんなあたしの背後から失礼な笑い声。
「お前、マジでばか過ぎ。」
…すごく笑われてる。
お腹を抱えて、笑われている。
…嫌いな奴に。
…こいつ、声出さずに笑うからムカつくんだよね…。
「そんな笑うな!!…はげ!」
「…はあ?どこの誰が?」
むかつく〜!
こっちは焦ってんの!?
大ピンチなの!?
なのに…この最低野郎は…。
「ぶっ…もう無理。…ほら、行こ」
「……は?……絶対…いやだから!」
「行こ。」
あたしの手が大きな西谷の手に捕まる。
…あんたは強引すぎ…。
そのまま絶対離してくれないだろうと思って、素直にあたしは西谷と一緒に歩いた。
でも、歩いてるうちに、楽しそうな周りに広がるアトラクションを見てたら、
嫌いな奴とかどうでもよくなった。
「よっしゃ!乗り物全制覇してやるっ!」
「…は?急になに」
「行っくぞ〜!」
なんかやる気でてきた!
…大切なこと忘れてる気がするけど…。
まあ、忘れるってことは大丈夫でしょ!
あたしはものすごい勢いでジェットコースターに向かった。

