それから、遊園地までバスで行き、やっと入口までたどり着いた。
よし。
作戦を決行しよう。
あたしが、昨日の夜決意したのはひとつだけじゃない。
西谷との遊びを楽しみにしてた美佳を応援しようと思って、昨日必死に無い頭を使って作戦を考えたのです!
あたしが思いついた名案。
それは…。
「千弘っ!行くよ!」
あたしは、千弘の手を引っ張って走り出した。
二人からできるだけ遠いところまで。
はぁはぁ…。
なにこれ…きっつ!
帰宅部には、きつすぎた…!
気づいた時には、入り口とは真逆のところにいた。
「千弘っ、はあ、はあ、大丈夫?」
あたしが今まで体験したことのない息切れの中、必死に千弘に声をかける。
なのに、返答はない。
「ちょ、千弘もバテてるの?!」
声を荒げて顔を向けると、そこには思いもよらない人がいた。

