ちゃら男くんの好きな子。




「…そっか…」


美佳が吐き出すように声をあげた。



「でもさ、言ってくれたじゃん」


いつもの優しくて、力強くて、心地良い声が聞こえた。

一瞬、あたしの方を見て笑う美佳が、幻覚かと思った。



「今日言ってくれたから…よしとする!」



腰に手を当てて、あたしを上から目線で見てくるなんて…いつものこと。


でも今日は、その憎たらしい親友が…死ぬほど好きだと思った。

   
この人に出会えてよかったと思った。




「美佳っ……だ、大好きっ…だよっ…ぅ!」




泣き出したあたしの頭にデコピンして、馬鹿じゃないの?っていう美佳を心から尊敬する。