ちゃら男くんの好きな子。



✱✱✱✱✱



週の終わりの金曜日。


美佳がスマホを片手にスキップしている。

あれは、いいことあったね…。



「り〜こっ!」

「……な、なに…」



そのテンションの高さ、怖いんだけど…。
 



「遊園地行こっか!」



「え?!遊園地?!」




行きたい!

遊園地なんて、久しぶりだもん!





「四人で行こう!…ねっ!」



「…よ、…四人?」




「そうっ!あたしと莉子と《遥斗くん》とその友達!」





…その名前に、あたしは顔がかたまる。





「遥斗く、ん…って…」


「うん!部活休みなんだって!あたしが頑張って誘っちゃった!」


「…」




…なんでOKしてるの…。

好きな子いるんでしょ…?!



…美佳にもエリカちゃんにも失礼だよ…。




あたしには関係ないことなのに、胸が苦しくなる。


…なんだろう…この痛み…。





とにかく、あたしは行かない。

行けるわけ無い。


あたしと西谷が知り合いだってこともバレてしまう。

あたしがなんで隠してたのか…そう聞かれるかもしれない。

…美佳には申し訳ないけど…断ろう。




「ねっ!行こう?」


「ごめん…ちょっと用事があって」


「そっか…」




すごく肩を落とす美佳を見て、なんとも言えない気持ちになる。





「や、やっぱり行こうかな…」


「えっ?!ほんと?!」


「うん…。」


「やった!友達連れて行くって、言ってくる〜」




やばい…口が勝手に動いた…。


後悔しても…もう美佳は西谷に連絡するために教室を出てしまった。

よく電話で話すために屋上に行ってるから、きっと今もそうだ。



…しょうがない。

心を決めなきゃ…。



あたしは頬を思いっきりつねった。