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週の終わりの金曜日。
美佳がスマホを片手にスキップしている。
あれは、いいことあったね…。
「り〜こっ!」
「……な、なに…」
そのテンションの高さ、怖いんだけど…。
「遊園地行こっか!」
「え?!遊園地?!」
行きたい!
遊園地なんて、久しぶりだもん!
「四人で行こう!…ねっ!」
「…よ、…四人?」
「そうっ!あたしと莉子と《遥斗くん》とその友達!」
…その名前に、あたしは顔がかたまる。
「遥斗く、ん…って…」
「うん!部活休みなんだって!あたしが頑張って誘っちゃった!」
「…」
…なんでOKしてるの…。
好きな子いるんでしょ…?!
…美佳にもエリカちゃんにも失礼だよ…。
あたしには関係ないことなのに、胸が苦しくなる。
…なんだろう…この痛み…。
とにかく、あたしは行かない。
行けるわけ無い。
あたしと西谷が知り合いだってこともバレてしまう。
あたしがなんで隠してたのか…そう聞かれるかもしれない。
…美佳には申し訳ないけど…断ろう。
「ねっ!行こう?」
「ごめん…ちょっと用事があって」
「そっか…」
すごく肩を落とす美佳を見て、なんとも言えない気持ちになる。
「や、やっぱり行こうかな…」
「えっ?!ほんと?!」
「うん…。」
「やった!友達連れて行くって、言ってくる〜」
やばい…口が勝手に動いた…。
後悔しても…もう美佳は西谷に連絡するために教室を出てしまった。
よく電話で話すために屋上に行ってるから、きっと今もそうだ。
…しょうがない。
心を決めなきゃ…。
あたしは頬を思いっきりつねった。

