「あの子と陽光くんって…付き合ってるのかな…?」
「あの子ってほら、高嶺の…」
…ほらね…!?
…なんですぐそういう風に見るのかな?!
まあ…あたしブラコンだからそう見えるのかも…。
少し抑えるか…。
それにしても…好きな人と弟が喋ってるなんて…!
もう奇跡のようなものだよっ…!
なんだか興奮して、先輩の方を見て…はっ、とした。
大会にむけて、一生懸命練習してるのがバスケ未経験のあたしにだってわかるし、
それに、汗でぬれた髪の毛が本当に綺麗だった。
「…う…あ…//」
なんかこんなカッコいい先輩を近くで見るのが初めてで、足がすくむ。
急に目が合わせられない。
「ん?大橋ちゃん…?どうした?」
「な、なななななんでもないっです!?//」
思いっきり不自然だったけど、なんとか目を合わせないようにする。
「じゃ、じゃあ頑張ってね!陽光っ…」
「おうっ!」
陽光に手を振って、体育館を後にしようとしたけど…さっきちょっと感じた違和感を思い出す。
…ほんとにちょっとだけど、先輩の笑顔がちょっとだけひきつってる気がした。
「せ、先輩っ!」
「んー?」
…きっと、無理してるんだ。
陽光も朝練に昼練に大変そうで、帰ったらすぐ寝てる。
しかも、受験生で勉強もあるし…生徒会長の仕事もある。
どれだけハードな日々を過ごしてるんだろう。
「…つ、疲れた時は…あたしの大好きなおやつあげますよ…!」
「…え?」
「そしたら、自然と笑顔になっちゃいますよ!」
「……っ!?……ははっありがとう。」
言いたいことがうまく言えなかったけど、あたしの言葉に先輩は優しく笑ってくれた。
最初はびっくりされたから、変なこと言っちゃったって思ったけど…。
「ファイトですっ…」
あたしは自分の拳をぎゅっと握った。

