世界が彩られたこの瞬間を、ずっとずっと忘れない




「だから図書室にいた時ね、普通に私と接してくれたし、何より心配してくれて嬉しかった。……でも私の話をしたら、何か野村くんを傷つけたりだとか、困らせてしまうんじゃないかとか、いろいろ考えたら言えなくて…」



「橋本さんは何も考えなくていいよ。俺が力になりたいと思ってしてるだけ。こんな気持ちになったのは初めてだから」



…野村くんなら、助けてくれるかもしれない。


友達とは違う安心感があった。



「ありがとう、野村くん。でももう少し気持ちの整理ができてからでいいかな…?」



「もちろん。さっき言っただろ、無理に言わなくていいって」



「…ありがとう、本当にありがとう」



「ちょっと落ち着いたんじゃない?」



「……ほんとだ」



気がついたら涙はとっくに止まっていた。



「よかった。もう夜も遅いし家に帰った方がいい。送っていくよ」



「え、いいよそんなの」



「遠慮しなくても俺暇だから」



「じゃあ、お言葉に甘えて…」