世界が彩られたこの瞬間を、ずっとずっと忘れない



しばらく走っていると、公園が見えてきた。


少し休もう…


そう思ってベンチに腰をかける。


…もう家には戻れない、どうしよう。


するとふと野村くんの顔を思い出す。


ちょっとだけ、頼ってもいいかな…?


野村くんにもらった紙を取り出して番号を打ち込み、電話をかける。



「…もしもし」



…出てくれた。


安心したせいで涙が出てきた。



「……橋本、です…」



「今どこ?」



「学校の…最寄り駅の…近くの……公園…」



「分かった。そこから動かないで」



野村くんはそう言い残して電話を切った。


しばらく涙が止まらなかった。