世界が彩られたこの瞬間を、ずっとずっと忘れない




「ハアハアハア…」



誰もいない下駄箱で息を整える。


手元にある手紙は強引に取ってしまったせいでグシャッとなってしまった。


いくら急いで取ってしまったとはいえ、もしかしたら読まれたかもしれない…


どうしよう、言いふらされたら…



「あれ、そういえば…」



よくよく思い出してみると、あの男の子は5組の野村くんのような気がする。


私は6組だから隣のクラスだ。


野村くんは誰とも友達になりたがらない一匹狼だと聞いたことがある。


もう高2の9月になるというのに、友達を作らないのは逆にすごいんじゃないかって思ったり。


とりあえず、言いふらされないと分かってほっとした。