世界が彩られたこの瞬間を、ずっとずっと忘れない



そこは私の教室がある廊下だった。


男の子が何か手に持っていた。


見るからにそれは手紙だった。


顔が青ざめていくのが分かった。


するとその男の子が手紙を封筒から出し、内容を読もうとする。


中身だけは見られたくないと思った時には、身体がとっくに動いていた。



「見ないでっ!!!」



全力で男の子の元に駆け寄って、手紙を奪い取る。


そしてまた全力で走り出す。


もうこの時は手紙のことしか考えていなかった。