「あら、どちら様?」 急に家の方から人の声が聞こえてきて、肩がビクッとなった。 見ると優しそうな感じの女の人が出てきた。 きっと私のお母さんだろう。 勇気を振り絞って、声を出す。 「きょ、今日から、お、お世話になる、は、橋本、望愛、です…」 すると、お母さんの顔が無表情になる。 「ああ、あなたね。さっさと上がって」 さっきと同じ人とは思えない冷たい口調で言われた。 「は、はい…」 恐る恐る返事をして家に上がった。