そんなことを考えていると、あっという間に時間が過ぎていって、放課後が来た。




「ねね、バイバイ!!」





友達のヒカリの声が教室中に響く。




「バイバイ」




ヒカリの声には負けるものの、私も負けじと声を張り上げた。





バス通学の私は、ヒカリのような電車通学組と違って帰る時間が遅めだった。





バスまでなにしてよ…





暇そうに頬杖をついていると
私の席からみて左奥から「ガシャ」という音がした。




「あー…」





音をした方が見てみると
クラスの男子が筆箱を落としていた。
筆箱の中身が床に散乱していた。






「大丈夫?」




私は咄嗟にそう言って、その男子の文房具を拾いはじめた。