「見てまいります」
桜庭がそうドアに近づいた瞬間だった。
ドンッ!!!!
「星莉ちゃん!!」
「星莉……!!!」
息を切らしながら入ってきたのは、隼斗くんと美波ちゃんだった。
しばらく会っていなかったけど、2人は何も変わってなかった。
「ど、どうしてここに……」
「うちらに黙って結婚とかありえなくない?」
「しかも相手が15も上のじじいって。さらにありえねえわ」
「ごめんなさい…」
2人の急な登場に頭が追いつかない。
動揺して、何も考えられない。
「……はっ、青飛くんもいるの…?」
そんな中でも、私の頭の中は青飛くんでいっぱいだった。
まさか、青飛くんが結婚を止めに来てくれたんじゃ……なんてくだらない期待をしてしまう。
私にそんな贅沢な願いをする権利はないのに。
「……その言葉が、きっと星莉の本心だよ」