部室で後輩達と写真を撮ったり、



走ってきたはじめちゃんとツーショットを撮ったりしてから俺達は校門まで向かった。





校門の前にはまだまだたくさんの人が集まり、ともに涙を流したり、写真を撮りあったりしていた。





「翼!!」



みんなのことを少し離れたところから見ていると、涼々に呼ばれた。



そちらを振り返ると、涼々が大勢の人に囲まれて、俺のことを呼んでいる………


クラスメイトだった。



一人の女子がセルカ棒を持ってるからクラス写真ってとこか。




「わーーったよ。」


最後まで履き慣れなかったローファーで校庭を擦るように歩き、みんなの輪の中に入った。





「てかさー、お前らキスしろよ!」




クラスメイトのひとりが言った。



「いーねそれ!みんなふたりのこと見てるってゆーね!」

「いーじゃん!やれよ!」

「そーだよ、普通のやつももう1枚撮ればいいし!」



いろんなやつが騒ぎ立てるから、まわりの奴らまで俺らのことを見ていた。



隣には涼々が少し恥ずかしそうに上目で見つめてくる。




「どーする?」



まわりには、たくさんのやつが見てる。


こんな中でやるなんてありえねー………。

けどな………




「しゃーねーな。」


「えっ!?…わっ!」


涼々をお姫様抱っこして、唇を合わせた。




キャーーーーー!!!



まわりの声とともに


パシャ。



シャッター音が聞こえた。






「お前、なかなかやるなぁ!!」


唇をそっと離し、涼々を下ろすと肩をいろんなやつにバンバン叩かれた。


「ってーよ!もう1枚撮るんだろ!」

「あー、はいはい行くよー!」



思い出したというようにセルカ棒をもってた女子に言うとカメラをまた高々と上げ………、




パシャ。




今度は全員でピースで写真を撮った。