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「第25478号、広川翼。
おめでとう、陸上も素晴らしかった。」
校長はひとりひとりにコメントしながら卒業証書を手渡していった。
「ありがとうございます。」
頭を下げて回れ右をする。
体育館には大勢の人。
中には卒業でもないのに泣いている後輩たちも見えた。
その中に、泰来と華月の姿も見えた。
泣いている華月を小突きながら笑ってみている泰来。
2人はこれからの青高陸上部を作るにふさわしい2人だ。
視線をずらすと、まだ座っている涼々と目があった。
ニコッと微笑む涼々に笑い返し、ステージを降壇する。
しみじみとした雰囲気で行われる式は校長の長いお言葉で締められた。


