風になれ




3組14レーン………。




心の中で繰り返す。






5000mはタイムレースで一発決勝。




そのため、走る順番は1組から記録が速い順に並べられる。






まさかの俺、最後から3番目かよ………。











「おいおいおい、だからってこの通りの順位でゴールすんなよ?」


「わかってるわ」





東に突っ込み返す。






しかも俺は大会1日目、今日が試合当日だ。










アップ、しないと。。






ここでやっとアップという言葉を思い出した。










「早くいけー翼ーー」



俺の心を読んだかのようにいうつばめ。





はいはい、と俺はランシューに履き替えて陣地を出た。






トラックもさすがの人だった。





そりゃあ、3000人一気に来たらこーなるよな……。







ふう………。



大きく深呼吸して、






「お願いしますっ!!」




競技場にとび込む。