風になれ




「やっほーー………っ!!!」


右手を上げて遠くに見える仲間に手を振った………


と、同時に片足で体を支えきれずに


態勢がガクッと崩れた。






転ぶっ!!!!





そう思って目をぎゅっと瞑った………。






あれっ………?



地面にぶつかる衝撃もなく、逆に誰かに支えられているような感覚になった。




じゃなくて、翼があたしの身体を受け止めていてくれた。






「ったく、変なことすんなよ?」


「ご、ごめん………、」







「オーーーイ!イチャイチャすんなよー!!」





「うるせっ!」




遠くから叫ぶ東に翼が大声で答えた。






「ほら、行くぞ。」



松葉杖を私に渡してくれ、ふたり伴って歩き出した。








仲間が私のことを笑顔で迎えてくれている。





今にも溢れだしそうな

嬉しいとも

楽しいとも



何か違う感情の涙を抑えながら





かつっかつっ…




松葉杖をつき、みんなのもとへ向かう。