よく晴れた冬空だった。




ランパン(ランニングパンツ)に薄いTシャツと、客観的に見れば季節外れで、おかしいと思われるような服装で



今日は1000mのレぺをやっていた。





4本目がちょうど終わり、休憩を取ろうとしていたその時だった。









「涼々っ―――――――!!?」





有姫の声が雪解け水で湿ったトラックに響いた。






声をした方を見ると………、






涼々が7台目と8台目のハードルの間にしゃがみこんでいた。







嫌な予感が……、したんだ。









とてつもなく、不安な気持ちでいてもたってもいられなくなって疲れているはずなのに、身体が勝手に動き出した。




涼々の方へ走っていくと、しだいに彼女の姿が大きくなった。






女の子座りのような態勢で、









涼々の左手は、



右脚の甲をさすっていた。







「どーしたっ?」


急いでかけより、涼々の肩を持って聞いた。





「痛くて………、力が………入ん…ない、の。」





泣いていた。




いつぶりに見たかわからない。








でも、本気で涼々は泣いていたんだ。