涼々から手渡されたリュックサックの中を探り、
とりあえずユニフォームの上からウィンドブレーカーを羽織った。
「あれ、山口は?」
ようやく周りを見れるくらい冷静になった俺は、山口がいないことに気づいた。
「山口なら口切ったみたいで洗いに行ったよ。」
あいつ、未だに口切って走ってんのかよ。
中学生の頃からたまに舌噛んだり、唇噛んだりして走ってる途中に口の中真っ赤になって。
今でも変わんないんだなって思うと懐かしくて笑えた。
その後、店の中から出てきた山口と熱い抱擁を交わし、
それからゴールである体育館前まで裏道を使って移動した。
青高は、女子のAチームが1位、Bチームが11位。
男子のAチームが1位、Cチームが7位、Bチームが9位
と、全部で3チームが表彰され、駅伝監督の先生にベタ褒めされた。
その日の、帰りのバスから降りた時だった。
先に降りて整列していた俺の前で、涼々がバスから降りた。
「痛っ――――。」
小さい声だけど、確かにそう言った。


