「止まんないでー、こっちにーー。」
役員に倒れそうになった身体を支えられながら誘導され、ある店の駐車場まで来た。
役員が俺の肩から手を離した瞬間、
身体がくずおれた。
力が入らなくて、そのまま仰向けに倒れ込んだ。
「大丈夫か?」
役員が心配そうに覗き込んきたけど、声が出せなくて、とりあえず頷いた。
そうか、と笑って役員は人ごみの中に戻っていった。
酸素が足りない気がした。
貪るように肩で呼吸をする。
こんなに必死になったのいつぶりだっけ。
1500m走っても、5000m走っても基本倒れこまない俺がこんなになるって、なんでこんなに駅伝に必死になったんだろう。
まだ呼吸が落ち着かなくて、目を閉じ、手で目を覆った。
「翼?お疲れ様。」
やっと息が整ってきた頃、頭の上から声が降ってきた。
「涼々………、おう、さんきゅーな。」
涼々は第2中継所から運ばれてきた俺の荷物を手にしていた。


