沿道の応援は風の音で耳に入ってこなかった。
積もりはしないけど降り続く雪と不似合いなくらいにかいている汗。
拭いなんかせず、前のふたりを追った。
もう少し。
そう思ってもなかなか距離は詰まらない。
相手だってこの道のベテランだ。
こんなところで離した相手に抜かれるのは気分良くないだろう。
わかっているからこそ、今出せる全力を駆け出し、東が待つ中継所を目指す。
「つばさーーーーーーー!!!!
ラストだーーー!!」
よく通るあいつの声がしっかりと耳に届く。
一歩。
強く踏みしめ、
「いけっ!東っ!!」
最後の力を振り絞り、東に襷を渡した。


