青高のユニフォームはダントツの1位で俺たちの前を通過していった。
まわりの声援からして、ここはラスト1km地点らしい。
「ラストだーーー!!」
「ここ勝負だぞーーー!!!」
などと他校の監督やら保護者やら観客やらの声援が飛びまくった。
先頭集団が通り過ぎ、少し遅れて第2集団がやってきた。
だいたい、15位くらいになるだろうか。
涼々だ………。
ここまで約4km。
すでにきついはずなのに集団の後ろに必死に食らいついていく。
「涼々!!負けんな!頑張れ!」
俺の声にチラッとこちらを見た涼々と目が合った。
疲労
プレッシャー
根性
責任
あいつの目が全てを映していた。
頑張れ、涼々………。
心の中で涼々の背中に向かって声をかけた。
「行きますか、そろそろ。」
「あぁ。」
山口の声で止めていた足を動かしはじめた。
次は俺の番だな………。