高校生になって初駅伝、ちょっと緊張してるかも。
アップで身体がよく動かなかった。
「翼、緊張してんのか?らしくねーな。」
補欠のつばめに鼻で笑われた。
「うっせ、ワクワクしてんだし。」
「ワクワクって、小学生かよー!!」
東の口を一度塞ぎたい。
待機所になっている体育館に東の笑い声が響く。
まぁ、和やかでいいんだけど、
恥ずかしさは尋常じゃねーよ。
「そろそろ移動しろよー。」
着替えやら飲み物やらシューズやらを鞄に詰めていたらちょうど部長が声をかけた。
はーい、だか
ほーい、だか
りょー、とか
さまざまな返事がとんだ。
「翼先輩、行きますか。」
聞き覚えのある声に振り向くと
「おー!山口!お前も3区か!!行くか!」
一つ下で中学の後輩である山口がいた。
はいっ!と元気よく返事した山口ともう1人の1年と共に俺たちのスタート地点である第2中継所にむかった。
青高で3区走る2年、俺だけかよ。
まけらんねぇな。
何年ぶりかの襷を掛けられるという期待感と
後輩に負けたくないという根性で身体がくすぐったかった。