「やめてくださいよー、俺まだ19ですよ?」 適当につっこみをいれた。 「んなのかんけーねーわ。」 「ふっ………。 でも、居なくならないようにしっかりバリア貼っとかなくちゃだめですね? 」 その大きな手をどけながら言った。 「そーだな。逃がされんなよ?」 「もちろんですよ。」 ふっと顔に薄い笑みを浮かべ、振り返り、走り出した。 その背中に 「頑張ってくださいねー!」 叫ぶと左手を無言であげられた。 俺は、競技場のメインスタンドに向かった。 100mが一番、見やすい場所。