『秀徳経済大学で陸上やるから。』






あの日の涼々の言葉は忘れない。






『だけどね、会いに来てほしくないの。私が来てって言うまで、絶対に会わないで欲しい。』



『それって………』



『違うよ!別れるってことじゃない。だって、翼がいてくれないと、困るもん………。
だから、私が強くなるまで待ってて欲しいの。』



『わかった。』







こうして、俺らはどちらからともなく手を離した。




”待ってて”



その言葉だけが俺たちを繋いでいた。





涼々のことだからいきなり会いに行ったってただ迷惑なだけだと思った。




だから、連絡することもほとんどなかったし、
会いに行こうなんて思いもしなかった。