風になれ



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その日の放課後、予想通りに雪かきを行った。

思っていた以上に深く積もっていた雪になかなか苦闘し、終わった頃にはすっかり日が落ちていた。




「結局、部活潰れたじゃーーーん。」



東、そんなこと言ってると………、










「東、何言ってんだ。雪かきも奉仕という名の練習の一貫だぞ。」




はじめちゃん、よく来てくれました。





黒の手袋をはめ、長靴を履いて、

明らかに雪かきをするために来たという格好。





まだ30代前半というのに、年をとって見えた。







こういう、部活が潰れた日の夜は…………、








《 走ろーぜー! 》



家に帰ったばかりの俺の携帯にメッセージが届く。






学校から二駅と徒歩で15分のところにある一戸建ての家の玄関前だった。



俺は、家の中に入って出ていたパンを口にし制服を脱いでアップ着に着替えた。






走ってくる、とだけ母さんに伝えて家を出た。








外はすでに真っ暗で、東の空には金星が輝いていた。




東は俺の家の近くの下宿に住んでいる。


携帯で『着いたー』とだけメッセージを入れると2分後には姿を現した。





俺らの走るコースは決まっている。



家から学校まで約10キロを走り、学校の校庭で1000を2本。そして来た道を帰る。

基本、一時間半はかかる。



今日の帰りは何時になるんだか……。