+*向日葵side*+ 「美結、一緒に帰ろ?」 ネットを下ろして運びながら、近くでラケットをしまっている美結を見れば。 美結らしくない。 ぼんやりとしていた。 「……美結?」 「え? あ、ごめんごめん。今日はガット張ってもらいに行くから遅くなるの」 「あ、そうなんだ。じゃあ、私は先に帰るね」 「うん、ごめんね」 ……嘘、かな? 美結のラケットは、比較的新しいから。 今日は、珍しく栄夏も休みだし。 一人で帰るかあ。 ……なんで、こんなに今日はついてないんだろう。