慌てて話題を変える。
自分のモテるモテないの話は好きじゃない。
「星哉、長生きできる確率高いってお医者さんが言ってた」
「本当?」
目の前の笑顔がもっと嬉しそうに目尻を下げた。
そんな嬉しそうな顔、俺の前で見せないでよ。
胸がいたい。
この顔を見ると、こうさせられない自分に
苛立つ。
あいつしか、見てなさすぎて困るよ。
他なんて、なんとも思ってないんだろ?
「ああ、まぁ荷物をまとめてもう来れないらしいけどな」
「やっぱり、そうなんだ……」
今度は、あからさまに目に見えて沈んだ。
俺って性格悪いよな。
あいつのせいで苦しんでる萩本さんを見れば
安心してしまう。
この顔を、ただの友達として眺めているには
もう、疲れた。


