「よろしくー」
あたしに会釈する。

「よろしく」
あたしも一応返す。

「お前、俺のこと好きやろ??」
初めて会ったのに
いきなり言われてちょっと戸惑った。

「は?・・・」

「は?じゃなくて、
好きやろ、お前絶対。
付き合おうぜ、な?」

強引にあたしは
意味不明なチャラ男君が
好きと認定された。

「いや、まじで好きじゃないから」

「ふーん。
でも俺は好き、今日から俺の
彼女なッ!!名前なんての?」

勝手すぎるこの男、
好きになるのはどう考えても
無理だろ・・・

「は??いや、ならんし
あたしは好きな人じゃないと
カップルなるつもりはないから」

「あっそ、つか名前は?」
絶対プレイボーイ。
あたしは、そのとき心の中で思った。

「・・・南沢」

「下の名前っ!!」
何だこいつ

「紗夜(さよ)」

「紗夜??可愛いじゃん
んじゃ、紗夜って呼ぶー」
にひひと子供みたいに
笑った。


「おーい、お前等いつまで
喋っとんじゃ、
早く、阿倍。席つけっ」
先生に怒られた。

それは、別によかったけど。
周りの女子達の目線が
怖かった。

もう、泣いてる人まで
泣きたいのはこっちですよ・・・