2年5組
今日は一段と騒がしい。


転校生がやってくるからだ。


男とわかっている以上、
女子は、モテメイクを
友達にしてもらったりと
忙しい生き物。

男子は、女じゃない以上、
別にすることはない。
女だとしたらエロ本を
隠すくらいだ。
男はそういうもの。



「席付けー」

それだけ言って
入ってくる先生。

女子の顔は半端じゃないほど
ウキウキ状態。

男子はいつもと同じで
騒がしい。


「入ってくれ、」
先生はドアの向こうの
人に一言言った。

「はーい」
そういって入って
きたのは超と言っていいほどの
チャラ男君。

女子の悲鳴は半端ない。
つぎつぎといろんな声が
混じりあう。

「静かにー」
先生はしかめっ面で
女子に注意した。

それでも、女子達は
隣の女子と小声で喋り合う。

そんな中で、チャラ男君は
自己紹介し始めた。

女子は一気にチャラ男君
に目線を送る。

「えっとー、東京から来たー
阿倍 怜弥(あべ れいや)でーす」

「んじゃ、阿倍君。
あのー南沢のとこに座って」

先生は滅多に使わない
‘君’を使った。

しかもチャラ男君は
あたしの隣に来た。